samuraiの趣味日記

ようこそ。samuraidukaの趣味日記です。ここでは私の趣味の日記をゆっくりと書いていきたいと思います。

【CUBE】人生は制御できない【感想・微ネタバレあり?】

どーも。samuraidukaです。

2019年も残すところ10日ほどになり、残り少なくなってきました。

2019年は年号が変わり消費税も上がるなど、日本人にとって大きく変化した一年だったと思います。

皆さんにとって2019年はどのような一年でしたでしょうか。

僕個人としては、今年は自身の大きな変化に対する準備期間でした。

大きな変化の準備の一つとしてこのブログがありますが、春先に立ち上げたブログもどんな軌跡を描いてきたのか振り返ってみると目を引くのは

 

 

投稿数3。

 

 

2019年が終わるまでに、何本か書くぞぉぉぉぉおおお。

こんな流れで【CUBE】の映画の感想を書きます!!!

 

あらすじ&概略

ある男が目を覚ますと、そこは見知らぬ部屋、いや立方体の内部だった。

6つの側面には幾何学的な模様があり、その中央にハッチのようなものがあった。

男がハッチを開けるとその奥には色こそ違えど同じ立方体があるだけで、別のハッチを開けてもまた色の異なる立方体があるだけだった。

そこで、今度はその部屋に移動してみると、無機質な音が鳴り響く。

部屋の罠によって男が切り刻まれたのだ。

切り刻まれた男の肉片が崩れ、部屋の罠は無機質に定位置へと戻っていく。

 

本作は1997年にカナダで公開された作品で、日本での公開は1998年です。

監督はヴィンチェンゾ・ナタリ

本作はシチュエーションホラーの金字塔作品とも呼ばれており、後にこのジャンルの傑作であるSAWシリーズ等の名作も生まれています。

今でこそ”密室内のホラー”はありがちな設定ですが、当時の人たちにとってはかなり斬新な設定だったんでしょう。

また、本作品は低予算で作られていながら成功を収めている作品としても知られています。

確かに、基本的に舞台は立方体の内部だけだし、役者7人だけだし。

まさに、アイデアの大勝利といったところでしょうか。

 

感想

実はボク、かなりホラーが苦手なんです。

ですが、そんな僕でも本作は抵抗なく楽しめました。

というのも、グロテスクな描写は少なくホラー要素も軽めだったからだと思います。

というか、今回のホラー要素は意味不明な立方体とその罠、そして人間の醜さぐらいなもんで正直あまり怖くない。

また、話の筋も極限状態における集団と個人の心理が中心なので、ホラーというよりサスペンスといった印象を持ちました。

そして、このサスペンスがどストライクで超面白い。

というか、wikiの内容からすると本作はサスペンスなのか。(納得)

しかしながら、本来の意味から離れて両者が混同されることも多い。また、ホラーというジャンル超能力超常現象)が関わり、サスペンスは現実に基づいた人間の起こすもの、という分け方が本来の分類と言われている。

wikipedia-サスペンスより

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B5%E3%82%B9%E3%83%9A%E3%83%B3%E3%82%B9

本作は”目が覚めたら意味不明な場所に居てそこから脱出する”というシンプルなプロットですが、個人の心理や他人との軋轢によって奥深い物語となっています。

そんな物語の中で最も印象に残った台詞が「おれたちがここ(=立方体)にいるのは人生を制御できないからだ」というワースの台詞。

この台詞を聞いて疑問に思ったのが、何故人生を制御できないのかということ。

少しそれますが、本作を通して謎である建造物の明かされる数少ない情報として、”誰か”が”なんらか”の理由で作られたというのがあります。

意思と関係なくこの立方体の中に入れられるのは”人生を制御できていない”ということですから、この情報を基にすると、”人生を制御できない”のは”他者”に原因があると考えられました。

改めて本作を視聴すると、周囲の人を利用して自身の鬱憤を晴らす場面、周囲への影響を考えず失望を表にだす場面、自身の正義感を押し付けてより危険な状況を作り出す場面、そして他人を疑いだし仲間であるはずの人物に危害を与え始める場面がありました。

このような形で登場人物たちが不利益を被るのは、他者の信条や欲求、心の弱さに意思に関係なく付き合ったから。

簡単に言えば、他人と共存しているから、と私は感じました。

この文脈での最高の盛り上がりはワースが不気味に笑い出すシーンではないでしょうか。

”靴”のようにクリスティンに理不尽に扱われ、今までの苦労を水泡に帰すことを伝えるようなレンの死体。

本作で笑う理由は言及されていないので確かなことは言えませんが、この二つの事実を目の当たりにして自身の言葉がやはり真理であることを悟り、それを証明しうる彼自身のくだらない人生を嘲け笑っている印象を受けました。

さながら2019年トッド・フィリップス監督作品の「JOKER」でしたね。

 

さて、これでもかというぐらいに「他人と共存する」ことの負の側面を描いていますが、微量ながらしっかりと”その逆”も描いているのが本作品の魅力だと思います。

しかも、それがしっかりとしたカウンターパンチになっていて、一種の清涼剤のようになっているのもにくい。

ネタバレになりそうなので詳細は省きますが、最後のワースの行動も良かった。

”ワース”が”あの時”に、”あの行動”を起こしたのが素敵すぎる!!!

 

こんな人におすすめ

本作品では”「他人と共存する」ことの負の側面”と”その逆”が描かれていると書きましたが、割合としては8:2もしくは9:1ぐらいなもんで、”その逆”に対しての負の側面の割合が大きい。

しかも”「他人と共存する」ことの負の側面”と”その逆”が描かれてるだけで、そこからのメッセージは書かれていないように思えたし、自分はそれを読み取れませんでした。

なので、上記二点を気にしてしまうようなら、私からはあまりお勧めできないかもです。

ただ、緊張感はありましたし謎解き要素もあります。

あらすじ&概要にも書きましたが、本作はアイデアが素晴らしいことで有名ですが、そのアイデアを十分に発揮させている脚本も見どころの一つです。

「”負の側面”みたいなのが大好き!」みたいな人や、「問題提起でも構わない、むしろその方がいい」と言う方には本作をお勧めできます。

 

では。